以下は 実務で使える具体手順・評価基準・調査テンプレート・実例・コンテンツ設計まで含めた網羅ガイド。長めですが実行可能なチェックリストとテンプレを盛り込みます。ひとつずつ着実に潰していきましょう。
ジャンル選びの基本原則(最重要)
市場(需要)があること
検索需要・SNSでの関心・季節性を確認。需要がゼロだと話にならない。
収益化パスが明確であること
ASPに案件がある、物販で薄利でも回転できる、紹介でLTVが高いなど。
競合が弱い/勝ち筋があること
上位が企業サイトやQ&A中心なら個人で勝てる。逆にドメイン強者・大手メディアばかりだと勝ちにくい。
あなた(運営者)の強みと親和性
実体験・専門知識・既存資産(メール、SNS、既存サイト)があるとリード獲得が早い。
継続性(長期性)
一時的ブームではなく、半年〜数年の需要が見込めるか。
リスク分散が可能
1ジャンルに依存しない構造(複数サブジャンル展開)が作れるか。
具体的な評価フレーム(スコア化して客観判断)
各ジャンル候補に対して、以下の基準で 0〜5点 評価し合計点で比較(合計30点満点)。ざっくりでも数値化すると判断がブレません。
検索需要(Google検索ボリューム): 0–5
収益性(ASP単価・成約見込み): 0–5
競合の強さ(上位サイトの質、ドメイン年齢): 0–5 (強いほど低得点)
成果発生までの期間(短いほど高得点): 0–5
自身の専門性・体験(有利なら高得点): 0–5
拡張性 / 複数収益源(広告・物販・リピート): 0–5
→ 合計20点以上を最低ライン、24点以上ならかなり有望。
ジャンル候補の探し方(具体プロセス)
自分の”資産・経験”棚卸(30分)
過去に使ったサービス、実体験、資格(FPなど)、趣味、仕事経験を10個書き出す。
例:プロバイダー乗り換え、ゼクシィ縁結び体験、FP学習、セキセイインコ飼育、NECデスクトップの使用経験、トラック買取など。
市場チェック(1〜3時間)
使うツール(最低セット):Googleキーワードプランナー(無料)、Googleトレンド、ラッコキーワード(または関連語抽出ツール)、Search Console / GA(既存サイトがあるなら)
やること:
メインワード(例:プロバイダー、婚活、保険)を入れて「月間検索数」「関連キーワード」を取る。
Googleトレンドで過去2〜5年のトレンドを確認(季節性 or 衰退傾向か)。
SNS(X, Instagram, TikTok)でハッシュタグ検索し、話題の多さを確認。
収益性確認(1〜2時間)
ASP(A8、afb、バリューコマース、アクセストレードなど)で該当ジャンルの案件を検索。
単価、成約条件(無料登録か有料登録か、初月課金条件など)をメモ。
単価×必要成約数→目標(例:月30万円)から必要成約数を試算。
競合調査(2〜4時間)
上位10サイトを手作業で見る:
上位が大手(価格比較サイト・新聞・NTTなど)か、個人ブログかを判定。
上位記事の文字数、見出し、リード文の質、口コミの厚みをチェック。
勝ち筋の見つけ方:
「実体験レビュー」が薄い、もしくは情報が断片的 → あなたの体験記事で差がつく。
「FAQや設定トラブル解説」が不足 → ロングテールの取りどころ。
企業の比較表が古い・更新されていない → 更新で勝てる。
ニッチ絞り込み(1時間)
調査結果を元に「メインジャンル」→「サブニッチ(3〜5)」に落とす。
例:プロバイダー → 「OCN関連の乗り換え」「マンションでの光切替問題」「Wi-Fiルーター設定トラブル」など。
収益化パターン別のジャンル向き(具体例)
アフィリエイト(成果報酬)向き
マッチングアプリ、保険相談、プロバイダー、買取、転職サービス。
条件:高いASP単価 or 成約しやすい(無料登録系)。
広告(ディスプレイ/アドセンス)向き
幅広いトラフィックを集められるテーマ(ペット、料理、ライフハック)。
条件:大量PVが見込める。CTRが良いデザインが必要。
物販/直販向き
ガジェット、アクセサリー、サプリ。ECと相性良し。
サブスク・定期案件向き
SaaS、サブスク型サービス、保険。LTVが高い。
実際に狙うべき“ジャンルタイプ”と勝ち筋(優先度別)
A: 最短で成果が出やすい(優先)
プロバイダー/光回線(サブニッチ:トラブル・契約解除・乗り換え手順)
理由:単価が中〜高で、体験談と手順で差がつきやすい。
マッチングアプリ/婚活(体験談・成婚事例)
理由:成約しやすく、体験が強い証拠になりやすい。
不用品買取(ゲーム機、トラック、家具)
理由:成約=申し込みで短期間に成果化しやすい。
B: 中期で伸ばせる(やや工夫が必要)
保険・FP相談(相談予約・見直し系)
理由:単価は高め。ただし信頼構築と専門性が必要。
ホームサービス(光熱費見直し、ウォーターサーバー)
理由:比較記事でCVRが出るが競合も強い。
C: 大きな投資で勝てるが時間かかる
金融(投資・ローン)
理由:単価激高だが規制厳しく、企業系強者が多い。
具体例:プロバイダー系で勝つための「サブニッチ」設計(実務テンプレ)
サイト構成(カテゴリ)
トップ:乗り換えガイド
カテゴリA:プロバイダー別レビュー(OCN、GMO、BIGLOBE…)
カテゴリB:トラブルと解決(速度、ルーター、メール)
カテゴリC:地域別(関西向け、関東向け、マンション向け)
カテゴリD:お得情報(キャッシュバック・違約金回避)
初期の必須記事(30記事の例)
収益記事(10):「OCN 光 料金 評判」「GMO 光 キャッシュバック 申込方法」
サポート記事(12):「Wi-Fi 遅い 時間帯 対処法」「ルーター再起動 効果ない時」
比較記事(5):「OCN vs GMO vs So-net」
ロングテールQA(3):「プロバイダー 郵便物 何で来る?」
CTA設計
各収益記事の最上部と末尾に「比較表+申込ボタン」→ 簡潔で信頼感ある文言。
メール登録フォームで「乗り換えチェックリスト」を配布(リード獲得)。
KPI(3ヶ月)
記事数:30記事
月間PV:10,000PV(目安)
CV(申込):20件/月(想定単価3,000円→6万円/月)
目標:6ヶ月で複数記事のCV増加により月30万円を狙う
キーワード選定の実務ワークフロー(ジャンル確定後)
メインKW(ジャンル)を決める。
ラッコキーワード/Googleキーワードプランナーで関連語を取得。
ロングテール(検索数 10–200)を優先的にリスト化。
各KWについて「検索意図」を分類(取引型/比較型/情報型/トラブル解決型)。
各KWに記事タイプを割当(収益記事/情報記事/比較記事)。
優先度高いKWから記事化(最小限の文字数基準:情報記事は2,000–3,000文字、収益記事は3,000–5,000文字で信頼構築)。
収益シミュレーションの作り方(現実的に)
目標:月30万円。
想定単価(平均)=3,000円(ジャンルにより上下)。
必要成約数=30万円 ÷ 3,000円 = 100件/月。
目標成約率(サイト設計)=1〜3%(業種で変動)。
成約率1%なら必要クリック=10,000クリック/月
成約率2%なら必要クリック=5,000クリック/月
必要PVはCTRや集客チャネルにより計算(検索流入中心なら上位記事がPVを稼ぐ想定)。
→ 要は「成約単価×成約率×PV」で逆算して記事優先順位を決める。
コンテンツ設計(ピラーページ&クラスター戦略)
ピラーページ(pillar):ジャンル全体を俯瞰する長尺のガイド(5,000〜10,000字)。ここにカテゴリ一覧と重要記事への内部リンクを集約。
クラスター(サテライト):ロングテール記事群(各2,000字程度)でピラーページを補強。
内部リンクは「下から上へ(サテライト→ピラー→収益記事)」の流れを常に意識。
SNS・外部流入の使い方(ジャンル依存)
X(旧Twitter):体験談、速度測定結果、結論ツイートで流入を作る。
Instagram / Pinterest:比較表・図解(ビジュアル)でリピン/保存を狙う。
動画(YouTube, TikTok):実演(ルーター設定、婚活体験)で信頼性UP。短い導線で記事へ誘導。
note / ブログ(Ameba):トピック別の広く読まれる記事で被リンクと流入を確保。
成功確率を高める実務チェックリスト(着手前)
ジャンルに対して最低20のロングテールKWを確保できたか?
ASPで収益案件が10件以上見つかるか(単価と成約条件を把握)?
上位10サイトを見て「ここを超えられる差別点」が3つ以上あるか?
自分の体験や証拠(スクショ、検証データ、写真)が用意できるか?
ピラーページと30記事分の初期スケジュールが立てられるか?
よくある失敗と回避策
需要がないニッチを選んでしまう
→ リサーチで「検索ボリュームがゼロに近い」なら候補から外す。
単価に囚われて競合に負ける
→ 単価だけで選ばず「成約しやすさ(無料登録など)」を重視。
一つの集客チャンネルに依存する
→ 検索・SNS・note・YouTubeの複合戦略を用意。
途中でジャンルを変える(方向性ブレ)
→ 3ヶ月ごとにKPIで判断。短期で判断しすぎない。
実行プラン(30/60/90日ロードマップ)
30日:ジャンル決定・競合調査・ドメイン確保・30キーワードリスト作成・ピラーページの骨子作成。
60日:30記事公開(ピラー+サテライト)・SNS・noteでの発信開始・Googleにインデックス。
90日:CTR・PV分析・上位短期KWのリライト・リードマグネット導入(メール登録)・ASP最適化。
